太陽熱温水器とは?種類や選び方なども解説します。

太陽熱温水器とは

太陽熱温水器とはその名の通り太陽の熱でお湯を作る装置のこと。

晴れた日は無料でお湯が沸くため、給湯エネルギーの大幅な節約になります。

給湯エネルギーは家庭における総エネルギー消費量の約1/3。これが晴れた日はほぼ0円になるのだから、節約効果はものすごく高いです。

 

太陽熱温水器の仕組み

太陽熱温水器はこの画像のようにタンク部分と集熱部分の2セクションで構成されています。

集熱部分でお湯が作られ、下図矢印のように冷水と温水が交換される挙動が起こり、タンク内の水が温められていきます。このお湯を直接使用したり、あるいは熱交換の媒体として使用したりします。

太陽熱温水器の性能はこの集熱部分の質で決まります。

集熱部分の質とは【いかに集熱し、いかに放熱しないか】です。特に【放熱しない】ことの方が大事です。写真の昔ながらの太陽熱温水器は放熱量が多く、冬にはあまり機能しません。

近年はこれに代わって、全く放熱しない魔法のような素材、ガラス真空管を集熱部に使用するものが主流です。ガラス真空管式の温水器は性能が高く、冬や曇りの日でもある程度熱を回収できます。晴れていれば冬でも50〜60度ほどまであがります。

 

太陽熱温水器の種類

 

集熱部分の形状による分類

ということで、太陽熱温水器には昔ながらの平板式とニュータイプであるガラス真空管式の2タイプがあります。

平板式は放熱ロスが多く、ガラス真空管式は放熱ロスが少ないというのは前述の通り。

そのほかのメリットデメリットをまとめます。

まず、値段。全然違います、ええ。

200Lタイプ平板式は14万円ほどで買えてしまいます。激安すぎない?これに対して真空管式の相場はその倍(30万円前後)ほどです。

⊥・ノーリツ(太陽熱温水器 SJシリーズ)3m2(貯湯量210L) : SJ-321-BL(07629NA)(SC-321 + HT-221-架台別) ∴

 139,000 送料無料

 

業界最安値で頑張っている弊社の温水器は200Lで22万円(SALE時16.5万円)※しかも水道圧なのでタイミングが合えば平板式とほとんど変わらない値段で購入できちゃいます。

それから耐衝撃性。

ガラス真空管はどうしても強度的に脆く、【大雪が積もる・雹(ひょう)が降る・飛来物が当たる】などで破損することがあります。あと真空管内部の水の凍結でも容易に破損します。特に寒冷地において、この脆さが大きなデメリット。一方で平板式は集熱部が強化ガラスで覆われているため衝撃による破損は滅多に起きません。

真空管には2種類ある

細かい分類になりますがガラス真空管にはシンプルに筒状のもの(中に水が満たされる)と、ヒートパイプ式といって真空管の内側には水を満たさずに熱だけをタンクに取り込むタイプのものがあります。

このヒートパイプ式なら凍結による破損がないので寒冷地向きといえます。長い間雪に覆われる地域などはヒートパイプ式を採用する方がよさそうです。

しかしこのタイプは銅が使われているので腐食には弱く、井戸水利用には向いていません。

※弊社で採用している太陽熱温水器はすべて筒状の真空管となります。

集熱部による選び方まとめ

値段重視→平板式

機能性重視→真空管式

寒冷地→真空管ヒートパイプ式

井戸水→筒状真空管

※寒冷地かつ井戸水→筒状真空管+電熱加温機能のあるモデル

タンクの形状による分類

タンクの種類は3種類ほど挙げられます。

まず大きく二つに分けると【水道圧がかかるタイプとかからないタイプ】です。先に言うと水道圧がかかるタイプが圧倒的におすすめです。

水道圧がかからないタイプは【①自然落下式】といって寝屋の上に設置して高低差でお湯を出すと言う仕組みです。

これがいちばん普及していて、値段もいちばん安いです。

水圧を強くするために屋根などの高い位置に設置したり加圧ポンプ等と組み合わせる必要があります。

加圧ポンプはタンクの水を使い切るたびにエアを噛むので面倒でしたw

 

次に水道圧がかかるタイプですが、2種類あります。

電気温水器タンク(エコキュート等)のように、単純にタンクそのものに水道圧がかかるタイプ=【②水道圧タンク】。このタイプは通常ヒートパイプ式真空管とセットになっています。

ヒートパイプ式太陽熱温水器 FUJI-IP

画像はFUJISOL様より拝借

そしてもうひとつはタンクには水道圧がかからないがタンク内部に熱交換器(=銅管)が仕込まれているタイプ=【③熱交換予熱タイプ】。こちらは筒状の真空管(水が入るタイプ)とセットになっているので寒冷地では凍結対策(電熱線で温められる機能)が必要です。タンク内のお湯を直接使うことはありません。熱交換でお湯を取り出す方式です。なのでタンク内の熱量を全て取り出すことができません。タンク内温度40度行ってても取り出せるお湯はそれ以下になるため給湯器との併用が必須です。

それぞれのメリットやデメリットはこちら。

タンクの形状による選び方

はい、で、3種類あるのはわかった、結局どれがベストやねんと。

極寒冷地だったり、井戸水を使用している場合は自ずと機種が限られてきますが、、、

そういった特殊な条件が無い場合であれば【熱交換予熱方式】が僕としてはイチオシです。

まずやはり水道圧でお湯を取り出せるのは大きい。自然落下より水道圧タイプ推し。

そしてこの熱交換タイプはタンク自体には圧がかかっていないため拡張性が高く改造しやすいです。つまり、太陽熱温水器を薪ボイラー化することができるのです。

晴れた日はお日様のエネルギー。雨曇りの日は薪でブースト。これは太陽熱温水器の弱点を克服する、理想のシステムですよ!

 

太陽熱温水器(30万円)と薪ボイラー(60万円)、両方とも買うなんて絶対おすすめしません!

何度でも言いますが太陽熱温水器自体を薪ボイラー化できるんですから。

そのほか床暖房にもお湯を使えたりなど、拡張性を極めた特殊な設計で商品化しています。

太陽熱温水器(水道直圧式200L/300L)

ただ、熱交換方式はタンク内の熱を全て取り出すことができません。石油給湯器やガス給湯器の補助が必要となります。

こういった化石燃料を一切使いたくない、完全オフグリッドを目指す方は自然落下か水道圧タンクタイプの方がオススメです。

例えばタンク内温度が40度まで上がった日、熱交換予熱式だけが給湯器が必要になります。

また、寒冷地ならヒートパイプ式である水道圧タンク型、井戸水地域なら銅が一切使用されていない自然落下タイプがベストです。

※弊社、次回の仕入れから熱交換予熱タイプの熱交換器を銅→ステンレスに仕様変更します。井戸水にも対応可能になります。さらに凍結対策用の電熱線も仕込んであるので、死角のない機種が爆誕します。

サイズの選び方

先に結論を言いますが太陽熱温水器においては大きさが正義です。

太陽熱温水器の容量にはだいたい150リットル、200リットル、240リットル、300リットルなどの種類があります。

当たり前ですが大きいほどたくさんのお湯が使えます。余っても翌日に繰り越されるので無駄になることはありません(特に真空管は放熱しないため)。また、大きいほどお湯は冷めにくいです。容量が大きいほどいいことずくめです。

値段との兼ね合いもありますが、予算が許すならぜひ300L以上のものを選んでみてください。

僕の感覚値ですが200Lは2人家族まで、それ以上なら300Lが必要です。

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